欧州国債 利回り急低下 5カ国共同声明に反応
2010/11/13付日本経済新聞 夕刊 【ロンドン=松崎雄典】12日の欧州市場では、前日まで急上昇していた財政再建国の国債利回りが大幅に低下した。アイルランド国債10年物の利回りは8.5%と前日に比べ0.7%強低下し、ギリシャなど南欧諸国の利回りも大きく下げた。英仏独など欧州主要5カ国が同日の共同声明で、2013年半ばまでは金融支援を受ける国の国債保有者が負担を被らないと強調したことで、市場の不安がやや後退した。 アイルランド国債の利回り低下は、1日の幅としては欧州連合(EU)がギリシャ支援を正式決定し、欧州各国の利回りが急低下した5月10日以来の大きさ。 12日はポルトガル国債の10年物利回りも7.0%と前日比0.3%強低い大幅な低下。ギリシャは同0.2%低い11.5%、スペインは同0.1%低い4.6%だった。 共同声明は、13年半ば以降に始まるEUの新たな金融支援の枠組みでは民間負担を検討するものの、現状の仕組みである欧州金融安定基金(EFSF)では負担がないことを明確にした。ただ、ロイター通信が12日にアイルランドが金融支援の要請へEUと交渉に入ったと報じ、同国財務相らが否定するなど、不安の火種はくすぶっている。
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